〇17番(茂原正秀君) 議長のお許しをいただきましたので、さきに通告しました2件につい
て質問いたします。

まず、1件目は登下校時における児童の安全対策についてでございます。富岡市では、今年度
一部児童の登下校時の安全確保を目的としたスクールバスの運行を目指しております。計画では、
富岡小学校の通学路3.5キロメートル以上の児童およそ60名を対象に試行するとのことです
が、この件について2点質問いたします。

まず、1点目でございます。通学路の危険性は通学距離の長さだけで決まるものでなく、道路
環境、交通量、人家の数、人通りの数などのさまざまな要因により左右されますが、今回スクー
ルバスの対象児童を通学距離という1つの条件だけで選別したのは、どのような理由によるもの
なのでしょうか。

そして、2点目でございます。スクールバスが開始されれば、市内約3,000名以上の全児
童のうち、対象となる60名ほどの安全性は飛躍的に向上しますが、スクールバスの対象となら
ない児童に対しては、どのような安全確保の方法をお考えなのでしょうか。以上、登下校時にお
ける児童の安全対策についての第1質問といたします。

続きまして、Uターン就職を希望する若者たちの就職支援についてお尋ねいたします。国の人
口が減少し始めた現在、今後いかにして人口を維持していくかは、地方自治体にとって重要な課
題であります。その対策として有効なのは、大学進学を機に富岡市を離れた若者たちに生まれ育
ったふるさとへ戻ってもらい、この地で社会人として生活していただくことではないかと私は日
ごろから考えております。しかし、現実としまして、首都圏や地方の大学へ進学した方にとって、
地元で就職活動をすることは容易ではありません。高校を卒業して地元企業に就職をする場合は、
それぞれの学校で手厚い就職指導や支援を受けられますが、大学生の場合、主にインターネット
を使ってみずから企業の採用情報を収集することから就職活動を始めるのが、現在は一般的です。
しかしながら、富岡市内や近隣自治体の企業では、ネット上で自社の新卒者採用情報を公開した
り、多数の大学生が利用する大手の就職情報サイトと契約しているところは余り数が多くなく、
Uターン就職を希望しても情報を入手できず、どんな企業があるのかさえわからぬままふるさと
での就職をあきらめ、結局首都圏などで社会人となる若者が少なくありません。このような現状
をご理解していただいた上で質問いたします。

富岡市及び近隣市町村でのUターン就職を希望する若者たちに、企業情報や採用情報を円滑に
伝えることができれば、ふるさとで社会人になろうとする若者だけでなく、有能な人材を求める
企業と人口減少に歯どめがかかる富岡市にとっても、大きなメリットが生まれると思われますが、
Uターン就職希望の若者と地元企業の接点をつくるような試みに市として取り組むお考えを当局
はお持ちでしょうか。

以上、第1質問といたします。ご答弁をどうぞよろしくお願いいたします。

〇議長(高橋總一郎君) 市長。

(市長 岩井賢太郎君登壇)
〇市長(岩井賢太郎君) それでは、茂原議員さんのご質問に順を追ってお答えを申し上げます。
初めに、登下校時における児童の安全対策につきましてお答えをいたします。登下校時におけ
る児童の安全対策につきましては、犯罪から子供を守るという観点から、文部科学省では事ある
ごとに関係機関に注意を喚起しておるところでございます。また、緊急に対策を講ずべき施策と
して、路線バスを活用した通学時の安全確保なども掲げております。本市といたしましては、か
かる状況をかんがみ、スクールバスの試行につきまして安全な登下校のためのスクールバスの試
行に関する協議会を立ち上げ、今後さまざまな角度から鋭意検討することとしておるところでご
ざいます。

なお、ご質問の2点につきましては、それぞれ教育に関する事項でございますので、教育長に
答弁させますので、よろしくお願いをいたします。

次に、Uターンの就職を希望する若者たちの就職支援につきましてお答えをいたします。今や
超情報化時代を迎え、若者とITは切っても切れないものとなっておりますが、茂原議員さんか
らはITに関連して、Uターン就職を希望する若者と地元企業の接点をつくる試みとして、適宜
適切なご示唆をいただきましたので、今後十分に意を配してまいりたいと考えております。なお、
ご質問が実務的な内容となることから、経済産業部長に答弁をさせますので、よろしくお願い申
し上げて私の壇上からの答弁とさせていただきます。

〇議長(高橋總一郎君) 教育長。

〇教育長(柴崎幸二君) 命によりまして、茂原議員さんからの登下校時における児童の安全対
策につきましてのご質問にお答え申し上げます。
初めに、スクールバスの対象児童を3.5キロメートル以上の通学距離で選別した理由につき
ましてお答えいたします。通学路は距離の長さだけでなく、道路環境、交通量、人家の数、人通
りの数によりましてその危険性が左右されますことは、茂原議員さんのご指摘のとおりでござい
ます。あわせて児童が複数で登下校することができるのかという点につきましても、配慮すべき
条件であるととらえております。通学距離が長くなれば、児童が1人で歩くという状況も多くな
り、その分危険な場面に出会う可能性が高まることになります。そこで、今回のスクールバスの
試行におきましては、危険な場面に出会う可能性を距離という観点でとらえ、児童の安全確保に
取り組むことといたしました。また、児童の健康な体を育成することは大切なことであり、徒歩
で通学することが基本であります。しかし、3.5キロ以上の徒歩通学になりますと、児童の体
力的な負担の軽減を考慮することも検討の視点となると考えます。しかし、これらはあくまで試
行を前提とした段階での想定でありますので、今後協議会の中で全市的な視点からスクールバス
の試行導入について協議していただき、検討してまいります。

次に、スクールバスの対象とならない児童の登下校の安全確保の方法につきましてお答えいた
します。児童の登下校の安全確保につきましては、交通安全と防犯の視点から取り組んできてお
ります。交通安全対策といたしましては、歩道の整備、防護さくの設置による道路環境の整備な
どを、PTA連合会の要望におこたえできるよう、各地区の区長さんと連絡をとりながら随時行
ってきております。防犯対策といたしましては、教育委員会からは防犯ベルの配布を行っており
ます。また、防犯灯の設置につきましては、本市で対応するほか、都市建設部都市計画課から群
馬県西部県民局、富岡土木事務所に働きかけ取り組んできております。また、各学校におきまし
ては、大人の目が行き届くよう、教職員はもとより、保護者、地域のボランティアの方々により
まして、児童の登下校のパトロールやあいさつ運動を定期的に行っていただき、安全確保に努め
ております。今後も地域、保護者、学校が協力し合って、子供たちを守る地域の環境づくりを行
っていきたいと考えております。
以上、私からの答弁とさせていただきます。

〇議長(高橋總一郎君) 経済産業部長。

〇経済産業部長(小金澤秀男君) 続きまして、茂原議員さんのUターン就職を希望する若者た
ちの就職支援につきましてのご質問にお答えを申し上げます。

Uターン就職を希望する若者と地元企業の接点をつくる試みとのご質問でございますが、茂原
議員さんご指摘のように、大学生等の就職活動につきましては、主にインターネットを使ってみ
ずから企業の採用情報を収集し就職活動を行っておりますので、本市にUターン就職を希望する
若者たちにとりましては、市内企業の情報を広く伝えることが必要不可欠な条件であると考えて
おります。そのため、工業課では、平成18年度、19年度におきまして、市内企業の事業所訪
問調査を行い、現在そのデータをもとに市内企業を紹介するホームページを作成する作業を進め
ております。公開までの手順といたしましては、市が調査したデータをもとにサンプルを作成し
たものを、各事業所において確認していただいた上で、ホームページでの公開を希望する事業所
を対象に、市のホームページにリンクさせて公開できるよう計画をしております。これにより、
自分のところではホームページを持つことができない事業所に対しましても、対応できるものと
考えております。

また、群馬県では、現在東京にございますぐんま総合情報センターにおきまして、本県出身の
大学や短大等の卒業見込み者を対象としたUターン求人情報として、Uターン用求人票や県内の
ハローワークでまとめた求人情報を初め、本社が東京にある会社の県内の事業所、営業所の求人
票や求人情報等を得ることができるようになっております。また、厚生労働省が設置しておりま
す地方就職支援センターや学生職業総合センターの情報及び県が設置しております群馬県就職情
報ナビや群馬県若者就職支援センターなどの情報につきましても、市のホームページから簡単に
アクセスできるようにしたいと考えております。ただいま申し上げました情報等を市のホームペ
ージにおいて公開できるよう、ことしじゅうには作業を進めてまいりますので、よろしくお願い
をいたします。
以上、第1質問の答弁とさせていただきます。

◎ 休 憩
午後 1時54分休憩
〇議長(高橋總一郎君) 暫時休憩いたします。
◎ 再 開

午後 2時05分再開
〇議長(高橋總一郎君) 再開いたします。
◎ 続・一般質問
〇議長(高橋總一郎君) 17番。

〇17番(茂原正秀君) ご答弁ありがとうございました。
まず、先にUターン就職のほうに触れさせていただきますが、具体的な対応を早速進めていた
だけるとのお話を伺いうれしく思います。先日ある新聞に、群馬県内公立高校卒業者の大学、短
大への進学率が今春初めて5割を超えたとの記事がございました。さらに、この進学率に専修学
校、各種学校へ進む割合を加えますと、7割を超えるということです。この数値を使って大まか
な計算をしてみますと、富岡市ではおよそ1学年が500名ほどですので、ざっと350人ほど
が大学、短大、専修学校、各種学校に進学し、また仮に7割ぐらいが市外に転居すると仮定しま
すと、約250名が富岡市を離れると考えられます。現在、その250名のうちのどの程度が卒
業後富岡市に戻り、富岡市及び周辺市町村の企業に勤めているのかはつかめませんが、この25
0名の中の富岡市に戻って働きたいという若者をどのように支援し、定住していただけるかが、
今後人口減少のスピードに歯どめをかけるためには、最も重要なかぎになるかと思われます。

ある若者たちと就職について先日お話をしましたところ、こんな意見を伺いました。「東京は
確かに魅力的な部分はあるけれども、生活していくのは大変だから、できれば富岡市に帰って働
きたい。でも、どんな就職先があるのかわからないから、多くが公務員試験、地元の金融機関、
大手の製造業などの数カ所に集中し、結局とてつもない倍率になってしまい、なかなか受からな
い。富岡市は勤めるところが本当に少ないのですよね。」というお話でした。私は、このお話を
伺ったとき、確かにそのとおりだと思いましたが、同時に働くところがないとみんな言うけれど
も、本当にそうなのだろうかという疑問も持ちました。実際に新卒者を募集する会社がなくて就
職できないのなら、それはどうすることもできないことです。しかし、事業を拡大するため、大
卒の社員を採りたいけれども、大学生に自社の情報を伝えるすべがなくて、採用することができ
ないという企業があるとしたら、これは企業にとっても就職を希望する学生にとっても、大変も
ったいないことです。社員採用の意欲があっても、採用活動にコストをかけることができず、学
生にその存在が周知されていない企業を一つでも多く探し出し、富岡市ホームページや市の広報
などの媒体で情報を伝えれば、新たな負担は限りなくゼロに近く、富岡市にとっても大きな利点
が生まれると考えられます。最終的には富岡市のホームページから、富岡市内だけでなく通勤可
能な安中市や甘楽町、高崎市の新卒者募集予定企業の情報が手に入るというようにしていただき
ますよう、当局の皆様には重ねてお願いをしたいと思います。この件につきましては、要望で終
了させていただきます。

続きまして、登下校時安全対策についてですが、ご答弁ありがとうございました。まずは、ス
クールバスの対象児童についてですが、児童が複数で登下校することができる点も配慮すべき条
件という考え方は、私も全く同感です。しかし、通学路が長くなれば、児童が1人で歩くという
状況が多くなるというご説明には疑問を感じます。今回の試行が予定されている富小は、市内で
最も児童数が多い市中心部の学校でございます。私の個人的な印象では、市の周辺部にある小規
模校に通う児童のほうが、たとえ通学距離が3.5キロメートル未満であっても、人家や人通り
がないところを1人で歩く距離が長いのではないかと思いますが、この点について再質問をいた
します。

まず、1点目ですが、スクールバス事業の対象児童を決めるのに、1人で歩く距離を最も重視
したようでありますが、対象となる田篠地区、星田地区児童は、周辺部の小規模小学校に通う児
童よりも1人で歩く距離が長いことを、どのような方法で調査し確認したのでしょうか。

そして、2点目ですが、試行とはいえ、通学路の危険性を左右するさまざまな要因の中から、
通学距離だけで対象児童を決めるに至った過程では、通学路の現状、問題点、危険性などを最も
把握している当該校の富小PTAと、協議や情報交換の場を当局は持たれたかと思いますが、ど
のぐらいの期間に何回ほど富小PTAのどのような方々と接触を持った上で、危険な場面に出会
う可能性を距離という観点でとらえる試行計画は決まったのでしょうか。この2点をスクールバ
スの対象児童についての再質問といたします。

次に、スクールバスの対象とならない児童の登下校時の安全確保について触れさせていただき
ます。スクールバスの対象とならない児童の安全確保についてですが、ご回答を伺った限りでは、
現在行っている安全対策を強化するというだけで、何一つ新しい内容はございませんでした。ス
クールバスは最も安心できる最高の安全対策でございます。だからこそ、約3,000名の児童
のうち60名だけにこの最高の安全対策を実施するのならば、残りの2,940名にも何らかの
相応な安全対策をとる必要があるはずです。全国で児童が巻き込まれる事件、事故がこれほど多
発しているときに、たとえ試行とはいえ、選ばれた60名の児童だけはパーフェクトに近い安全
対策がとられ、残りの大多数の児童には何も新しい対策がないというのでは、著しく公平性に欠
け、児童や保護者の方々、さらには一般市民の皆さんも到底納得がいかないかと思います。

また、平成20年度児童の登下校時の安全対策予算は、このスクールバス運行委託料の約50
0万円だけしかございません。一般論ですが、安全対策予算が500万円ならば、その中の一部
である例えば50万円とか100万円を今後展開していく事業の試行に回すというのなら理解は
できますが、本来ならば3,000名の児童のために使うべき安全対策予算500万円のすべて
をわずか60名のために行う事業の試行に回してしまい、残り2,940名のために使える安全
対策予算はゼロというのは、予算配分に余りも大きな偏りがあるように思えてなりません。以上
の内容をご理解していただいた上で、この件について再質問いたします。

3点目となりますが、60名を対象としたスクールバスの試行後、もしも他の地区からもスク
ールバスを希望する声が出た場合、最終的には市内の希望するすべての児童にスクールバス事業
を拡大するお考えはあるのでしょうか。また、財政面でそれは可能なのでしょうか。

そして、4点目ですが、今年度の児童の登下校時安全対策予算は、そのすべてが60名の児童
のために使われ、残り2,940名には一銭も使われないという状況でも、公平性という観点で
何ら問題はないと富岡市は考えているのでしょうか。また、もしも公平性に問題はないとお考え
ならば、試行という論点をぼかす言葉を使わずに、その理由をお聞かせください。
さらに、5点目ですが、登下校時の安全確保は喫緊の課題であり、すべての保護者の皆さんが
強く望んでおられます。ならば安全対策予算500万円は、3,000名の児童全員の安全性を
高める方法で使うべきなのに、どうして市が選別した60名児童の際立った安全確保のために予
算全額を優先して使うことにしたのか、試行という論点をぼかす言葉を使わずに、その理由をお
聞かせください。

以上、再質問といたします。特に公平性については、保護者の方々だけでなく多くの市民の皆
さんが強い疑問と深い関心を持っておられる点ですので、わかりやすく説明していただけました
ら幸いです。ご回答のほどどうぞよろしくお願いいたします。

〇議長(高橋總一郎君) 市長。

〇市長(岩井賢太郎君) それでは、茂原議員さんの再質問にお答えをしたいと思います。
茂原議員さんから、登下校時における児童の安全対策につきまして、5点の再質問をいただき
ました。児童生徒の登下校時における安全対策につきましては、地域関係者のご意見等お伺いい
たしますとともに、地域の実情を踏まえながらしっかりと取り組んでまいる所存であります。
なお、ご質問の内容がそれぞれ教育に関する事項でありますことから、教育長に答弁をいたさ
せますので、よろしくお願い申し上げます。

〇議長(高橋總一郎君) 教育長。

〇教育長(柴崎幸二君) 命によりまして、茂原議員さんの再質問にお答え申し上げます。
茂原議員さんから5点の再質問をいただきましたが、関連する事項でございますので、個々に
ついてではなく、全体を通してお答えいたします。スクールバスの対象児童につきましては、平
成17年度の通学状況の総合的な調査をもとに、平成19年度の通学距離を基準とした調査によ
り確認いたしております。また、試行の候補となっております富岡小学校のPTA関係者には、
平成19年度末に2回説明する機会を持ち、概要の説明を行うとともにご理解とご協力をお願い
いいたしてまいりました。議員さんご指摘の児童の登下校安全対策費の500万円については、
スクールバス運行委託料であり、あくまでスクールバス試行のために使用する予算として計上し
てあることをご理解いただきたいと思います。今後協議会での検討を経て、スクールバスを試行
的に運行することにより、その効果が十分に期待できることが確認できれば、市内全域への運行
に向けて予算措置を検討してまいりたいと考えております。茂原議員さんにおかれましては、ほ
かにもスクールバス試行に関しましてさまざまな問題点をご指摘をいただき、大変ありがとうご
ざいます。今後スクールバスの試行に関する協議会の中で、ご指摘をいただきました問題点を含
め、十分に検討させていただきたいと考えておりますので、ご理解をいただきますようどうぞよ
ろしくお願い申し上げます。
以上、再質問の答弁とさせていただきます。

〇議長(高橋總一郎君) 17番。
〇17番(茂原正秀君) ご答弁いただきましたが、率直な気持ちを述べさせていただきますと、
なぜスクールバス事業のだれもが疑問に思っている公平性についての質問に対し、何も回答いた
だけなかったのか残念な気持ちでいっぱいです。スクールバス事業につきましてはさまざまな意
見がございますが、私はスクールバスの対象にならず、さらに何ら新しい安全対策も施されない
約2,940名の児童及び保護者の皆さんの立場になって、そうした方々が抱いている疑問を再
質問で具体的かつ明快な形で当局にお尋ねしました。なのにどうでしょうか。情報開示や説明責
任というものが世の流れなのにもかかわらず、まさにそれに逆行するような当局の姿勢には、本
当に残念という言葉以外ございません。しかし、感情に走っては建設的な議論になりませんので、
ここからは先ほどのご回答を整理させていただいた上で、再度質問する方向で進めたいと思いま
す。

まず、スクールバスの対象児童を決めるのにどのような方法で調査し確認したかにつきまして
は、細かい点についてのご説明はございませんでしたが、調査が行われたということで承知いた
しました。

次に、試行計画を決める仮定で、当該校の富小PTAとどのくらいの期間に何回ほど富小PT
Aのどのような方々と協議したのかについてですが、先ほどの当局のご回答では、平成19年度
末にPTA関係者に2回説明する機会を持ち、概要の説明を行ったとのことでした。これはつま
り通学路の現状を最も把握している富小PTAとは協議をせずに、市が一方的に計画を決め、そ
の後PTA関係者に説明したと私は解釈しました。しかし、このやり方は問題が多いのではない
でしょうか。たとえ試行計画とはいえ、登下校時の安全対策は優先順位が極めて高い重要な課題
なのですから、どうして計画を立てる過程で富小PTAのご意見を伺わなかったのか、疑問に思
えてなりません。試行でも予算をつけて児童の安全確保のために行うのならば、通学路の問題点、
危険性を熟知している富小PTAときちんと協議を行うべきであったのではないでしょうか。こ
れでは富小PTAの方々を軽視しているようにしか私には思えません。まことに残念でなりませ
ん。

そして、3番目の質問である他の地区からもスクールバスの希望が出た場合、希望する全児童
にスクールバス事業を拡大するお考えはあるかについてですが、市内全域の運行に向け予算措置
を検討してまいりたいというご回答をいただきました。ここでスクールバスを含めました登下校
時の安全対策について、私なりの考えを少々申し上げますと、スクールバスは最も安全性が高い
最高の方法なので、財政的な裏づけがあり、希望する全児童を対象に公平に行うことができるな
ら、すぐ実施すべきと私は日ごろから思っております。しかし、現在の富岡市の財政状況を考え
た場合、仮に市内3,000名のうち半分の1,500名がスクールバスを希望したら、とても
対応するのは不可能と思われますので、財政面から一定の特定児童しか対象にできない事業にな
る可能性が高い以上、スクールバス以外の方法で3,000名児童の登下校時の安全性を高める
べきではないか。以上が私の登下校時安全対策についての基本的な考え方でございます。

ここから本題に戻りますが、先ほど申し上げたとおり、このスクールバス事業は、今後すべて
の希望する児童に拡大できるのかできないのか、拡大する考えがあるのかないのかによって、こ
の事業の評価が全く変わるのではないでしょうか。これは重要なポイントでございます。そこで、
私は再質問の3番目でその点を伺いましたが、当局のご回答では、市内全域への運行に向けとい
う表現で、将来的に希望者全員を対象とするのかしないのか、最も肝心な点について触れていた
だけませんでした。これでは重要な方向性が示されないまま、スクールバス事業が試行という形
で開始され、ほとぼりが冷めたころに正式な事業に格上げされ、その後は児童の登下校時の安全
性に大きな格差が生じたまま継続されてしまう可能性が高いのではと、私は懸念しております。
そこで、再々質問の1つ目は、この点について再度伺います。このスクールバスの試行は、最
終的には希望する全児童を公平に対象にするという前提のもとに行うと考えてよろしいのでしょ
うか。

そして、ここからもう一度再質問の関連に戻りますが、今回私が一番伺いたかったこと、市民
の皆さんが疑問に思ったことが再質問の4番目、児童の登下校時安全対策予算の全額が60名の
児童のために使われ、残りの2,940名には一銭も使われない計画でも、公平性という観点で
何ら問題はないとお考えなのか。

さらに、5番目の質問である登下校時の安全対策は喫緊の課題であり、すべての保護者が強く
望んでおられるのに、どうして全児童3,000名の安全性を高める方法ではなく、60名児童
の際立った安全性の確保のために予算全額を優先したのか、2件でございます。この2件につき
ましては、私一人の個人的な疑問ではございません。善良な富岡市民であり、まじめな納税者で
あり、我が子の安全を心配する保護者でもある多くの方々の根源的な疑問でございます。そのよ
うな最も重要な点についての質問に対し、先ほどは何もご回答していただけませんでした。私が
公平性にこだわるのは、市民の皆さんの血税で行う事業である以上、ましてや教育や子供たちの
安全対策という極めて重要な分野で行われる以上、どの子にも差をつけることなく公平に行うこ
とが原理、原則であり、鉄則と考えているからでございます。当局は試行のための予算としたと
おっしゃられますが、60名を対象とした試行に約500万円の予算を設けたものの、残りの2,
940名には1円も予算を設けていないのは事実でございます。また、3,000名の全児童を
対象とした事業よりも、市によって選ばれた60名だけを対象とした計画が優先されたことも紛
れもない事実でございます。私は、子供たちの登下校時の安全性に深刻な格差を生む危険性があ
る今回のスクールバス試行計画は、公平性という観点で大きな問題があると考えております。
では、ここで2つ目の再々質問を行います。再質問で回答していただけなかったことについて、
改めてお尋ねいたします。これが回答をいただける最後の機会であり、市民の皆さんに対する説
明責任の意識を富岡市が持っておられるかが問われておりますので、きちんと回答していただき
ますよう最初に強くお願い申し上げておきたいと思います。

では、質問に移りますが、予算の配分において、さらに取り組むべき優先順位において、今回
のスクールバス試行は市が選んだ60名の児童だけを極端に優遇し、2,940名を冷遇してい
るように思います。表現を変えれば、この事業は2,940名の安全性を犠牲にして、60名に
際立った安全性を与えるものと言えましょうが、再質問でお尋ねしたところ、回答を拒否なさっ
たということは、これほど安全格差を生む事業でも、富岡市は公平性という観点で問題はないと
考えていると、私だけでなく市民の皆さんも理解してよろしいわけでしょうか。
以上、再々質問は2件とさせていただきます。特に公平性について、再度お答えをいただけな
い場合、議会質問の意義が根底から否定されることになりますので、万一公平性について何ら言
及がない場合は、高橋議長さんにも当局に回答を促していただきたいと思います。以上、よろし
くお願いいたします。

〇議長(高橋總一郎君) 市長。

〇市長(岩井賢太郎君) 茂原議員さんの再々質問にお答えをいたします。
茂原議員さんからは、登下校時における児童の安全対策に関連いたしまして、2点のご質問を
いただきました。それぞれ考え方あるいは取り組み方等いろいろあるでしょうけれども、それぞ
れの立場で教育長のほうからご答弁をさせますので、よろしくお願い申し上げます。

〇議長(高橋總一郎君) 教育長。
〇教育長(柴崎幸二君) 命によりまして、茂原議員さんの再々質問にお答えいたします。
初めに、全児童を公平に対象とする前提で行うのかとのご質問でございますが、スクールバス
を導入した際に想定される効果と課題を検証し、より効果的にスクールバスが運行できるように
するための試行を考えております。したがって、本市におけるスクールバスの導入について、さ
まざまな観点からその有効性が検証でき、財政的措置を初めとする課題等をクリアできる状況に
あれば、学校、保護者、地域の方々のご理解とご協力のもと、全市的な導入を目指すものでござ
います。
次に、予算面から見たスクールバスの公平性につきましてお答えいたします。再質問の答弁に
おきましても申し上げましたとおり、スクールバス運行委託料は、あくまでもスクールバスの試
行のために使用する予算としてお認めいただいたものであります。その予算額の約500万円は
試行導入のために必要とされる額であり、今後スクールバスの試行に関する協議会において、全
市的な立場から対象地域、通学距離、状況、対象者、人数、運行方法等を十分に検討してまいる
予定でおります。また、スクールバスは市内全児童の登下校の安全性を高めるための工夫として
の一方策であり、その導入のあり方を検討するための運行委託料として今回予算化されているこ
とをご理解いただきますようお願いいたします。
さて、スクールバスの試行に関する協議会でございますが、先日16日に公募の委員3名が抽
せんの結果決まり、すべての協議会委員が内定いたしました。今後この協議会において、本市に
おける児童の通学の安全の向上を図る視点から、対象児童やスクールバスの効果的な導入、運行
のあり方につきまして十分なる検討を重ね試行してまいりたいと考えておりますので、ご理解を
賜りますようお願いいたします。
以上、再々質問の答弁とさせていただきます。